よくあるご質問
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Q1. ゆうだい21はどのような特徴がありますか?
国立大学法人初の水稲品種『ゆうだい21』。この品種の最大の特徴は食味です。モチモチした独特の粘りがある食感を持ち、噛むほどに広がる甘みの深さが特徴のお米です。冷めてもその特性が失われないため、おにぎりやお弁当にも向いているとされます。毎年数多くの全国食味コンクールで最高賞を受賞するなど、最も注目されている品種です。
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Q2. どのような地域で栽培可能ですか?
コシヒカリの栽培地域とほぼ同様です。昼夜の寒暖差が大きいほど良質米生産が可能です。ただし、6月に入っての移植では収量が低下しやすい傾向があるので、稲・麦作など二毛作地帯の後作には向きません。遅くても5月中に移植することを心がけてください。これまでの研究結果から、5月半ばまでの移植を推奨しております。各県での栽培適期は大学までお問い合わせください。
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Q3. 種子の漬種 (芽出し) の際に気を付けることはありますか?
ゆうだい21は採種した年の天候等の影響により、他の品種より種子の休眠が深くなる傾向があります。このため芽出しは、水温に留意しつつ、他の品種よりも少し長めに行ってください。播種時の芽の揃いがよくなります。
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Q4. 苗作りの際に気を付けることはありますか?
育苗期間の高温に注意することが他の品種以上に重要です。過度な高温は発芽不良・ムレ苗・徒長苗・病害の発生を助長します。ハウス内育苗では温度が30℃を超えると予想される場合は十分な換気を行って下さい。特に出芽直後は被覆資材の掛け過ぎにより、徒長を招きます。また、播種後3週間を過ぎるころから、他の品種に比べて苗が伸びやすくなる傾向があります。徹底した温度管理により、充実した苗を育てることができます。移植時期の設定は、育苗期間が延びすぎないように計画を立てて下さい。
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Q5. 耕起・代掻きについて教えてください。
ゆうだい21は長稈で藁量が多いので、藁残渣の分解を促進させるために、収穫後の早い時期でのすき込みを実施してください。加えて春先に丁寧な砕土を心がけることも大切です。特にゆうだい21を連作する場合には藁残渣が残りやすく、代掻きや移植精度の低下につながることがあるので、前述の対策が有効です。
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Q6. 植え付けの際に気を付けることはありますか?
慣行栽培では植え付け株数は㎡当たり15~18株 (坪当たりでは50~60株) 程度とし、植え付け本数は1株当たり3本程度を基準とします。過度な密植・疎植に注意してください。極端な疎植では穂数不足を招き、収量が不足がちになります。近年の研究では植付け株数60株/坪が最も安定して収量を確保できています。
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Q7. 施肥量のポイントを教えてください。
ゆうだい21の施肥量はそれぞれの地域内のコシヒカリの施用量に準じます。一発タイプの肥料を使用する場合には、生育後半の肥効溶出率が高い製品を施用することが望ましいです。また、分施する場合においては、施用時期が早すぎるとコシヒカリと同様かそれ以上に上位節間の伸長を招きやすく、倒伏によって受光態勢が悪化する傾向があります。適切な追肥量と追肥時期の見極めは、ゆうだい21多収のポイントですが、追肥時期の生育状況(葉色・茎数・草姿)に応じて適切に施用することが大切です。なお、一発タイプの肥料を使用したからといって、追肥をしてはいけないことはありません。最近の夏は高温傾向にあり、肥料の溶出が早くなりがちで、生育後半の肥料切れが認められる場合があります。このような時には追肥が高品質多収のために有効です。
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Q8. 移植後の初期生育及び管理について教えてください。
ゆうだい21は他の品種に比べて、初期生育が緩慢な傾向があります。このため、移植後1か月くらいはなかなか茎数が増えず、見た目には寂しい田んぼの様子になりやすいです。ただし、ここが我慢のしどころです。移植後1か月をすぎることからすくすくと生育し、茎数が増えていきます。ここで我慢しきれずに肥料をあげると、過繁茂になりやすく、ひいては倒伏の原因にもなります。全国でみられるゆうだいの栽培失敗事例は、施肥時期と施肥量の判断の誤りによる倒伏が多くを占めています。
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Q9. 中干しは必要ですか?
ゆうだい21は分げつ期以降に有効茎数が確保され次第、葉色や草姿に応じて適宜中干しを実施してください。目標茎数は25~30本/株程度です。出穂期前後は湛水状態(やや深水)の維持を心掛け、落水は他の品種よりなるべく遅くして、収穫期まで田面を乾かしすぎないようにして、十分に登熟させて下さい (Q12もあわせて参照ください)。
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Q10. 出穂について教えてください。
出穂に関しては、天候にもよりますが1週間程度かかります。栃木県中部5月植えで8月上旬の出穂となります。(コシヒカリよりも2~3日程度遅い)出穂前後は常時湛水管理を徹底してください。
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Q11. 病害中防除について教えてください。
ゆうだい21はいもち病に関して、葉いもちから穂いもちへの移行が少ない特徴がありますが、発生状況に応じて適宜防除を行うことが必要です。また、縞葉枯れ病の発生が懸念される地域では、抵抗性品種ではないので、本病を媒介するヒメトビウンカの防除のために箱施用薬剤の施用に加え、6月上中旬の本田防除を実施してください。
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Q12. 刈り取り適期について教えてください。
ゆうだい21は収穫適期幅が広く、刈遅れによる品質低下が少ない特徴があります。登熟が緩やかに進むので、帯緑色籾 歩合10%未満(青籾率)を目安に収穫を行ってください。出穂期からの日平均気温の積算値では1,100~1,200℃日になります。関東地方平野部のコシヒカリでは同様に1,000℃日ですので、収穫時期にもよりますが、コシヒカリに対して4、5日から1週間程度遅く収穫が可能で、遅くに出た穂が十分に稔るまで待ってから収穫作業に入ってください。このためにも早すぎる落水は控えてください。早刈りは未熟米が増え、収量低下の一因になります。これまでの失敗事例からも早刈りは厳禁です。
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Q13. 増収のポイントを教えてください。
ゆうだい21は米粒自体は大きいのですが、粒厚が薄い特性があります。このため、日照不足や低温など登熟条件が十分ではない年にはくず米が増える傾向にあります。また、天候に恵まれた年でもくず米の割合は他の品種よりも多くなりがちです。この点は品種特性によるところが大きいので、栽培技術ではカバーしきれない部分もありますが、有効な技術対策として、Q7の施肥管理 (特に追肥が重要です)によって稲の栄養バランスをよくして登熟を良好にすること、さらにQ12の適期収穫を励行することによって、十分な登熟期間を確保することが挙げられます。また、倒伏は登熟条件を悪化させ、適期収穫の妨げにもつながるので、極力させないことも重要なポイントです。
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Q1. ゆうだい21の種子籾は購入できますか?
種子購入についてはこちらのページをご覧ください。